個性派ぞろいの人形展『Doll’s Show』に行ってきました

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六本木ストライプスペースで開催されていたDoll’s Showに行ってきました
dolls-show

いやー、いろんな方のお人形を一挙に見られるこういう機会はいいですよね!
総勢33人の作家さんが参加していて、色んなタイプの作品が展示されていて眼福でした。

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一階と地下階で印象の変わる会場

一階と地下階の二室を使って展示していたのですが、階によって空間の雰囲気が全然変わるんですよね。
一階は日の光の入る明るいスペースにかわいい系、綺麗系のお人形がメインで展示されていました。
対照的に地下階は間接照明でほの暗く怪しげな雰囲気で、展示されている作品もどこか翳のあるものが多かったです。

光差す1階

一階にいたドールで特に印象が残っているのが陽月さんと神宮寺光さんの作品です。偶然ですが、どちらも太陽っぽい明るいイメージの名前の作家さんですね。

陽月さんのドールは2体展示されていて、一方の『nova luna~ノワ・ルーナ』は見るのは二度目。
全体的に淡く優しげで聖母みたいな印象を受けました。以前パラボリカ・ビスで見たときはもう少し翳があったように見えたのですが、自然光だとやはり雰囲気が柔らかくなりますね。
もう一体の『Pieds nus~ピエ・ニュ』は困り眉の可愛らしい少女です。シーツに横たわっている姿も相俟って「まだ眠くないの」と可愛らしく駄々を捏ねているように見えます。
個人的にはこの子の着ている服がどストライクでした。かわいすぎる!
端がスカラップになっているカットワークレースのワッフルっぽい布地を使って作られたワンピースで、前あき部分のボタンホールにカットワークレースの穴の部分が使われているんです。ちょどボタンホールの周りを刺繍が装飾するようになっていて、そのデザイン性の高さが堪りませんでした。
そのレース部分はスカートの裾や袖ぐりにも使われていて、一種類の布でこんなに素敵な服が作れるのがすごいなと思いました。
ご本人のブログに画像が載っていたのでリンクを張っておきます。
Hizuki doll blog
言葉で説明するより、実際に見てもらうほうが早いと思うので!

神宮字光さんの作品は夢見るようにうっすらと目を開いた少年で、ここではないどこかを眺めているような幻想的で儚い印象の人形でした。
たおやかな少女の人形と愛くるしい兎の人形を作っているイメージが強かったので、なんだか新鮮でした。薄幸そうな儚げ美少年…堪りませんね。
この子はボディ+ヘッドのみで四肢の付け根は市松模様の球が嵌っている作品です。創作人形はこういう表現が綺麗に嵌る自由さがあるな、と思いました。
ちなみに、このツイートの一枚目の写真の人形です。

宵闇の地下階

間接照明で仄暗い地下階にはボディがくりぬかれていたり、オブジェ化していたり少し刺激の強いお人形が多く展示されていました。

中でも特に好きだったのは、長尾都樹美さんの作品で『Blind Rose(B)』『Blind Rose(W)』という二体の人形です。
意志の強そうな少女の人形で、仄暗い中でも存在感を放っていました。
整った顔立ちに、決意のような何かを感じさせる瞳、きりりと引き結ばれた唇は血のような真紅にそまっています。そして、それらの調和を壊すように頬の肉が削ぎ取られて覗く髑髏。退廃的な香りがいたします……うっとり。


この作品以外の作品もどこかに髑髏化している部分があるんですよね。ただ純粋に好きなのか、それとも何かの暗喩なのか。ご本人に伺ったことはないので分からないのですが、わからないままアレコレア想像しているのは楽しいです。

新しい作家さんとの出会い

こういうたくさんの作家さんが参加する展示会は、まだ知らない作家さんと出会えるのが楽しいですよね。
もちろん目当ての作家さんがいるから見に行くんですけれど。
今回気になった作家さんの作品は衣-hitori-さんの「女」というものです。
表情とポーズに動きがあって、写真のように実際のある一瞬を切り取ったように生々しかったです。臨場感が半端じゃありません。
うつむき加減の顔の表情を見やすいように床面に鏡がおいてあったのも、作家さんの心遣いを感じて嬉しくなりました。
個人的には屈んで下から見上げて鑑賞するのも好きなのですが、あれは傍から見ると不審者なので…。

とても充実した展示て大変楽しかったです。次はパラボリカ・ビスで開催されている「髑髏骸骨骨骨展」に行ってきます。